VANILLABEANS
更新日:2026.04.27
カカオ豆の外皮「カカオハスク」をアップサイクル

磯子区に本社があり、主にチョコレートを使用した洋菓子の製造・販売を手掛けるチョコレートデザイン株式会社が運営するブランド「VANILLABEANS(バニラビーンズ)」では、チョコレートの製造過程で排出されるカカオ豆の外皮「カカオハスク」を、廃棄することなくアップサイクルしています。
カカオハスクは、チョコレートの原料となるカカオ豆の“外皮”です。カカオ豆を焙煎・粉砕する時に外皮の「カカオハスク」と、中身の「カカオニブ」に分けられ、カカオハスクはチョコレートを作る過程で使うことがありません。これらを廃棄することなくアップサイクルする方法を模索するため、VANILLABEANSは2020年にカカオハスクのアップサイクル事業を立ち上げました。

2022年にはカカオハスクを使ったタンブラーの商品化、2023年には全国のブルワリーにカカオハスクを提供し、ハスクを使ったクラフトビールのプロジェクトに参画、2024年には世界初となる『カカオハスクのお香』の商品化に成功、そして2025年には、オリジナルのブレンドティー『カカオハスクのお茶』を開発しました。2026年1月より、新商品『カカオハスクレザーのブックカバー』の販売も開始しています。
VANILLABEANSの担当者は、『私たちVANILLABEANSはカカオ豆からチョコレートを作るBean to Barのプロセスを大切にしていますが、その工程でどうしても生まれてしまうのがカカオ豆の外皮、つまり「カカオハスク」です。これまでは渋みの原因として取り除かれ、産業廃棄物として処理されるのが業界の常識でした。しかし、産地を巡り、農家の方々が心血を注いで育てたカカオを預かる立場として、その一部を単なる「ゴミ」として捨てることに強い葛藤を感じたのです。たとえ製品には入れられなくても、そこにはカカオ特有の芳醇な香りが宿っています。この未利用資源に光を当て、素材を余すことなく使い切ることこそが、作り手としての責任であり、農家さんへの最大の敬意だと考え、開発をスタートさせました。』と話します。

担当者はさらに、『最大の成果は、廃棄物だったハスクを価値ある商品へと昇華させるアップサイクルに成功したことです。例えば、ハスクを活用したお香は、チョコレートとは異なる「カカオの新しい香り体験」として、環境意識の高いお客様だけでなく、新しい嗜好品を求める層からも大きな反響をいただいています。こうした姿勢が「エシカルなブランド」としての信頼に繋がり、ファンの方々との絆がより強固になったと感じています。また、社内でもスタッフが自ら「これ、何かに再利用できませんか?」とアイデアを出し合う文化が生まれ、従業員のエンゲージメント向上という副次的な効果も実感しています。』と話します。
担当者は最後に、『今後の展望としては、自社内での再利用に留まらず、他業種や地域社会と連携したサーキュラーエコノミーのモデルを確立したいと考えています。具体的には、ハスクを地域の農家で堆肥として活用し、その土で育った農作物を私たちのショップでメニュー化するような、資源が巡るサイクルです。また、ハスクを練り込んだカカオペーパーによるパッケージ開発やアパレル・化粧品への展開など、チョコレートの枠を超えたライフスタイル提案も視野に入れています。私たちの目標は、食品ロスを減らすことそのものではなく、「捨てればゴミ、活かせば資源」という価値観を広め、カカオに関わるすべての人と環境が幸福になれる、真のサステナビリティを体現していきたいと考えています。』と締めくくりました。